コアマモの生育環境特性とコアマモ群落が各底生動物群に与える影響について検討した.コアマモ地上部バイオマスは季節変動が大きいが地下部バイオマスは安定していることが示された.コアマモの生息条件として底質粒径に既往研究と異なる知見が得られ,コアマモは多様な底質環境下で生育可能であることが示唆された.裸地と藻場では底生動物相が異なり,藻場では多毛類と甲殻類,二枚貝類の個体数増加が確認され,腹足類の増加は確認されなかったことから,各底生動物群に対し影響が異なることが示唆された.底生動物豊富化メカニズムは各動物群によって異なり,多毛類に対しては夏季から冬季にかけての安定かつ豊富な餌料供給が,二枚貝に対しては稚貝の付着基盤としての機能が示唆された.