松本盆地南東部にある事業所敷地内の地下水から環境基準を超えるヒ素が検出された.そこで,敷地内外の地下水の水質調査を行ったところ,被圧地下水から高濃度のヒ素が検出され,ボアホールカメラを用いた現地調査よりマルチ·スクリーンおよび腐食の激しい井戸管の破損部が経路となって被圧地下水が不圧帯水層へ流出していることが判明した.また,有限要素法を用いた3次元非定常飽和·不飽和浸透流解析を実施したところ,計算水位と実測水位はよく一致し,被圧地下水が井戸管をとおして不圧帯水層へ流出している状況が再現できた.一方,地下水の水質分析結果に基づく相関図よりヒ素と鉄に強い正の相関があることが,またEh-pH ダイアグラムよりpH によらず低Eh のサンプルでヒ素濃度が高い傾向があることなどが判明した.