2004年1∼9月,4浄水場についてフタル酸ジ-2-エチルヘキシル (Di-2 (ethylhexyl) phthalate, DEHP) の実態調査を行った.原水中のDEHP 濃度は,月変動は認められたが,その幅は大きくなく,特定の傾向が認められなかったことから,冬から夏にかけてあまり変わらないと考えられた.流入したDEHPは,多くの場合,浄水処理工程で高い割合で除去されていた.沈殿汚泥,スカム等の固形物中のDEHP含有率は,そのオーダーが103 ∼104 μg/kg-dry であり,DEHPは固形物に高濃度に蓄積していることがわかった.DEHPのマスフローから,流入したDEHP は,多くの場合,高い割合で水中から沈澱汚泥へと移行していること,スカム中のDEHPは沈澱汚泥中に比べて非常に少ないことが示された.DEHP の大気からの降下量は,原水由来の負荷量より非常に小さいことがわかった.