夏期の都市域における舗装面への散水効果の定量化を目的として,舗装面上に温度センサーを水平方向(約16m),鉛直方向(約6m)に100点以上配置し,連続測定を行うと共に,湿度,風向風速測定を行った.散水はスプリンクラーを用いて直径約10mの範囲に断続的に行い,散水範囲,風下,風上,および基準点(散水の影響を受けない地点)の気温変化を観測した.2004∼2006年の3地点での実験の結果,散水範囲の地表面温度は最大約15°Cの低下が見られ,2005,2006年の実験では散水範囲で風上よりも最大1.5°C程度の気温低下が認められた.散水範囲内の地中温度は基準点と比較し,平均的に深さ10cm地点で最大10°C程度の低下が生じたと考えられ,また基準点よりも低温の状態は回復を伴いながら翌朝まで持続した.