管理型海面廃棄物処分場の多くは軟弱地盤に建設されるため,処分場を囲む護岸には遮水性に加え,地盤変形や波浪,潮汐等の外力に対する追随性を有し,かつ,天然材料のように経年劣化しないものを使用することが望まれる.また,海域に適した施工性を備えていることも重要である.本研究では浚渫工事で発生する海成粘土の難透水性に着目し,これを土質遮水材料として利用することを検討した.その結果,海成粘土にベントナイトを添加することで遮水材料として必要な透水係数を満足しつつ,ポンプ圧送による水中施工を可能とする流動性を保持できるとともに,平均せん断ひずみγ=4.0% 程度の変形を与えても所定の透水係数を維持できることを確認した.