本実証実験は,季節稼働型廃水である麦及び芋焼酎蒸留粕廃水(液画分)を用いて,約1,400日間の高温メタン発酵処理を液容積2.5m3のパイロットスケール多段型UASB反応器により行った.この結果,麦及び芋廃水ともに,COD容積負荷60kgCOD·m-3·d-1を達成し,廃水が切り替わっても良好な処理が可能であった.また,多点分散型供給方式と処理水循環方式による経済性を重視したアルカリ剤削減実験を行った結果,多点分散型供給方式における麦及び芋廃水のアルカリ剤消費量の削減率は,各々69%と78%,処理水循環方式における麦及び芋廃水のアルカリ剤消費量の削減率は,両廃水ともに100%を達成した.