バイオマス資源の活用が低炭素化や資源循環に向けて重要となるが,様々な変換技術・活用手法が開発されている中,各資源をどのように利用するかに関する政策判断が必要となる.そこで本研究では,中国省レベルにおいてバイオマス需給バランスを推計でき,バイオマス利用施策の立案と評価を支援するためのモデルを開発した.その上で,モデルを浙江省に適用し,GHG排出削減量,鉱物資源節約量,農林地節約面積の3指標でエネルギー変換優先施策と原材料回収優先施策を比較した.エネルギー変換優先施策でのGHG排出削減量は3,144万t-CO2であり,原材料回収優先施策と比べ1.8倍の削減効果が期待される.一方,原材料回収を優先する際にはリン鉱石164万t,農地59万ha,人工林163万haの節約が図れる結果となった.