本研究では中学1年生 (中1), 高校1年生 (高1) の血清レプチン濃度について検討した。解析対象者として健康な非肥満者 (中1,352名 ; 高1,446名) を選定した。身長, 体重, 体脂肪率を測定し, 血清レプチン濃度はradioimmunoassay法で測定した。血清レプチン濃度の平均値は男女別, 学年別に有意な差がみられた ( z 検定, いずれも p <0.001)。分布の中央95%を含む範囲は中1 : 男子1.0-7.8ng/mL, 女子2.1-15.9ng/mL ; 高1 : 男子0.8-5.0ng/mL, 女子3.0-16.4ng/mLであった。血清レプチン濃度と体脂肪率は有意な正の相関関係を示した。その回帰式は男女で有意な差が認められ, 学年, 初経発来の有無による差は認められなかった。このことから, 思春期の血清レプチン濃度は, 年齢, 初経発来の有無によらず, 男女別に体脂肪率から推定することができると考えられる。