本研究ではフラクトオリゴ糖 (FOS), ラクチュロース (LAT), ガラクトシルスクロース (GS) およびイソマルトオリゴ糖 (IMO) を用いて難消化性オリゴ糖の性状の違いがCaならびにMg代謝に及ぼす影響を比較・検討した。飼料組成は各オリゴ糖10%添加飼料とし, 対照にはスクロースを用いた。Wistar系雄ラット (3週齢) を1群6匹で44日間個別飼育し, 6週間後に出納実験を行った。なお, 給餌量は同一になるように軽い制限給餌とした。CaおよびMgは原子吸光法により測定した。尿中デオキシピリジノリン (DPD) はEIA法を用いて測定した。消化されないFOSおよびLATは腸管からのCaならびにMg吸収を促進し, 大腿骨中のCaおよびMg含有量を増加させた。しかし, 部分消化性のGSの効果はやや弱く, 消化性のIMOの効果はさらに弱かった。消化されにくいオリゴ糖は尿中DPD排泄量も低下させた。以上の結果, 難消化性オリゴ糖のCaおよびMg代謝への影響は, オリゴ糖の種類, 特に消化性の低いものほどCaおよびMgの腸管からの吸収を促進することが明らかになった。