ヒメウコギ( Acanthopanax sieboldianus )葉茶の食後血糖上昇抑制作用を検討する目的で,正常ラットおよび健常人における飲用試験を行った。これに先立ち,ヒメウコギ葉茶の有効な抽出法について,α-グルコシダーゼの活性低下を指標に検討した。ヒメウコギ葉茶のα-グルコシダーゼ活性低下作用は,2%ヒメウコギ葉(w/v)を熱水で抽出することにより高い活性低下が認められた。ヒメウコギ葉茶を用いたラットでの糖負荷試験では,ヒメウコギ葉茶投与によりデンプンおよびマルトース負荷後の血糖上昇が有意に抑制された。ヒメウコギ葉茶の健常人への飲用試験を行い,米飯摂取後の血糖値を測定した。ヒメウコギ葉茶摂取により,食後30分の血糖上昇が抑制され,特に米飯摂取30分後の血糖値が平均値(144 mg/dL)より高い被験者において血糖上昇が有意に抑制された。以上の結果より,ヒメウコギ葉茶は糖の消化を低下することにより食後の血糖上昇を抑制することが明らかになった。