現代人の多忙な生活の中で,簡便で即効性のある栄養補助食品が求められている。本研究では,GABAを30 mg含有したカプセルの経口摂取によるリラクセーション効果を,自律神経活動の観点から評価することを試みた。12名の健康な若年男性(21.7±0.8歳)を対象に,GABAとプラセボカプセルを摂取させ,摂取前(安静時),摂取30分および60分後の心電図を胸部CM5 誘導より測定した。自律神経活動は,心拍のゆらぎ(心電図R-R間隔)をパワースペクトル解析し,非観血的に交感神経活動と副交感神経活動を弁別定量化した。その結果,GABA摂取前と比較して,総自律神経活動は摂取30分後 ( p <0.01) および 60分後 ( p <0.05)に,副交感神経活動も摂取30分後 ( p <0.05)に顕著な上昇を示した。これらの結果から,30 mgのGABA経口摂取は,自律神経系に作用しリラクセーション効果を有する可能性が示唆された。