Monascus anka AHU9085の色素生産性の向上を目的として, 5種類の窒素源 (ペプトン, L -アスパラギン酸, 硫酸アンモニウム, モノグルタミン酸ナトリウム, 硝酸カリウム) が色素生産性に及ぼす影響を検討した。5種類の窒素源のいずれも, 濃度を0.3%にした場合, 0.03%の場合よりも色素生産性は増大し, 0.3%ペプトンにおいて黄色系色素および赤色系色素の色素生産性が最大になった。さらに, ペプトンに L -アスパラギン酸を添加した場合, ペプトン単独の場合に比べて黄色系色素および赤色系色素の色素生産性がともに増加し, 1.0%ペプトンに0.3% L -アスパラギン酸を組み合わせた場合に最も色素生産性が増加した。黄色系色素に対する赤色系色素の生産割合が最も高かったのはペプトンに0.3%MSGを添加した場合であった。HPLC分析の結果から, 増加した主要色素はmonascorubrin, rubropunctatin, monascin, ankaflavinであると推定された。