日本人成人の牛乳・乳製品摂取状況とメタボリックシンドロームの関係について検討を行うため横断的な調査を行った。対象者は乳業メーカー4企業グループに勤務する従業員とその家族 (20-69歳) とした。自記式のアンケートを郵送し記入を依頼した。解析対象者数は非喫煙男性3,252人, 非喫煙女性3,296人, 喫煙男性2,111名である。メタボリックシンドロームの判定では, 非喫煙男性で積極的支援と判定された者が18%であった。非喫煙女性では腹囲の基準を80 cmとした場合には, 積極的支援と判定された者が10%であった。牛乳・乳製品摂取量により対象者を四分位にわけ, 最も摂取量が少ないグループを基準としたときの, 他のグループのオッズ比をみると, 非喫煙女性では牛乳・乳製品摂取量が増えるにしたがい, 有意に低下していた。非喫煙男性でも同様の傾向がみられた。本研究の結果, 非喫煙者ではメタボリックシンドロームの予防に牛乳・乳製品の摂取が有効である可能性が示された。