食品・食品素材・未利用緑葉資源などに含まれるポリフェノールの活用を行うため、その探索と生理機能について検討を行い, 次のような結果を得た。 (1) 黄杞茶 ,藤茶などに含まれるフラバノノール類にも肝障害予防機能があること。 (2) マルビン、ルブロブラッシン, ナスニンなどアントシアニンは抗酸化・ラジカル消去能を有するとともに血清総コレステロール値の低下, HDL-コレステロールの上昇など, 脂質改善機能を有すること, また, アシル化アントシアニンのいくつかは体内ラジカル産生が原因となる体内酸化を抑制すること, 低分子のシアニジン配糖体は糖尿病の進行に伴う体内酸化を抑制すること。 (3) カテキン類のうち, 体内産生ラジカルが原因となる酸化障害をエピガロカテキンガレートが最も強く抑制し, 次いで, エピカテキンガレート、エピガロカテキンが強く、エピカテキンではほとんど効果のないこと。 (4) フラボノールの 3あるいは 4´位の配糖体化は体内酸化に基づくその肝障害抑制機能に影響しないが, 7位の配糖体化では効果が著しく低下すること。 (5) 7位に糖を有するフラボン類は糖部分のマロニル化により肝障害予防機能が上昇することなどが明らかとなった。