本研究では日本人における喫煙習慣と食習慣の関連を明らかにするため, 40歳以上の住民5,350名を対象として喫煙, 禁煙, 非喫煙の3群に分けて栄養素および食品群摂取量について解析した。栄養素および食品群摂取量は簡易型自記式食事歴法質問票 (BDHQ) より算出し, 喫煙習慣については生活習慣調査票への自己申告記入によった。喫煙率は男性42.3%, 女性8.6%であり, 喫煙者の年齢は男女とも非喫煙者に比べて若かった。喫煙者では男女ともにアルコールエネルギー比率が高く酒類や非アルコール飲料の摂取量が多い一方, 抗酸化栄養素や無機質, 食物繊維摂取量, 緑黄色野菜と果実類の摂取量が少なかった。禁煙者は男性42.3%, 女性5.6%であり, 男女とも非喫煙者に比べて酒類摂取量は多かったが, βカロテンや緑黄色野菜摂取量に差はなかった。これらの結果より, 日本人喫煙者は非喫煙者に比べて好ましくない食習慣を有することが示唆された。