地域から無作為抽出した一般住民における年齢群別の血清脂肪酸構成比率を明らかにすることを目的とした。対象者は「国立長寿医療研究センター・老化に関する長期縦断疫学研究(NILS-LSA)」の第5 次調査(2006–2008 年)に参加し,空腹時採血による血清中脂肪酸24 分画を測定した40–88 歳の男性1,070 名,女性1,098 名である。血清脂肪酸構成比率は各脂肪酸について脂肪酸総量(μg/mL)に占める各脂肪酸の濃度(μg/mL)を重量比(wt%)で示した。性別の各年齢群(40,50,60,70,80–歳)の脂肪酸構成比率は,男女ともに高齢群ほどα-リノレン酸,EPA,DHA を含むn-3 系多価不飽和脂肪酸は増加し,リノール酸やアラキドン酸を含むn-6 系多価不飽和脂肪酸は減少した。女性では高齢群ほど飽和脂肪酸と一価不飽和脂肪酸が増加した。年齢階級の上昇に伴い血清脂肪酸構成比率が変化する可能性が示唆された。