高糖食と等エネルギーにするためセルロースを多量に加えた高脂肪食と高糖食より, 高エネルギーの高脂肪食についてタンパク質代謝およびエネルギー代謝に及ぼす影響を23℃と8℃の環境温で飼育したラットで比較し, 次のような結果を得た。 1) 23℃飼育では, 窒素の保留は高糖食 (HC), 等エネルギー高脂肪食 (HF1), 高エネルギー高脂肪食 (HF2) の順によく, エネルギーの保留はHF2>HF1>HCの順によかった。 2) 低温飼育ではどの飼料もエネルギーの保留は著しく悪くなった。なかでも, セルロースを多量に摂取したHF1が最も悪くなった。 3) 窒素の保留はどの飼料も23℃と8℃で有意差はなかったが, HF2は低温のほうが多くなる傾向にあった。 4) セルロースを多量に摂取するHF1は他の飼料よりタンパク質のみかけの消化吸収率は悪くなったが, 脂肪の消化吸収はHF2とほぼ同じであった。 5) タンパク質, 脂肪の消化吸収はどの飼料も飼育環境温度の影響を受けなかった。