タンパク質と糖による褐変反応生成物の抗酸化性におよぽすプロテアーゼ処理の効果を検討するため, オボアルブミン-グルコース系の褐変反応生成物にパパインを作用させ (OVGI), グルコースと反応させない対照区 (OVI) とその抗酸化性を比較した。 また, オボアルブミンを, まずブロテアーゼ処理したのちグルコースと反応させた調製物 (OVGII) とグルコースと反応させない対照区 (OVII) についても検討した。 抗酸化性の評価はリノール酸の含水エタノール溶液に試料を添加し, 過酸化物価を測定した。 1) いずれの調製物も抗酸化カを示したが, とくに水解にブロナーゼを用いたOVGIIは同処OVIIやパパイン処理OVGIIよりも強い抗酸化力を示した。 2) トコフェロールとの相乗性を検討した結果, いずれの調製物も強い相乗効果を示した。 3) グルコースとの褐変反応による抗酸化性の増強効果は, OVGIでは弱かったが, プロテアーゼ処理してから褐変させた系 (OVGII) では明らかに認められた。