ひまわり, 綿実および大豆の成熟度と種子脂質中の4, 4'-ジメチルステロール組成ならびに組成変動について検討した。 1) 種子の重量は成熟に伴い増加し, ひまわりでは開花後, 35日目, 綿実および大豆は50日目が最大で, それ以後減少した。 脂質量はひまわり, 綿実では20日目過ぎから増加し, 大豆の脂質量は枝豆として食している25~50日目の期間内では2.0~5.0%であった。 2) 総脂質中での不ケン化物の占める割合は, いずれの種子も未熟期ほど高く, ひまわり種子の5日目で8.5%, 綿実種子の3日目で9.4%であったが, 種子の成熟に伴い急減した。 各種子脂質中での4-デメチルステロールの含有割合も未熟期ほど高く, 種子の成熟に伴い脂質中での割合は急減し, 総脂質中での不ケン化物の減少傾向と比較的よく一致していた。 3) ひまわり, 綿実の種子脂質中の4,4'-ジメチルステロール組成として, β-アミリン, シクロアルテノール, α-アミリンおよび24-メチレンシクロアルタノールの4成分, 大豆種子脂質では, β-アミリン, ブチロスペルモル, シクロアルテノール, ルペオール, 24-メチレンシクロアルタノールなどの5成分を同定した。 ひまわりでは, 種子の成熟に伴い4, 4'-ジメチルステロール画分中でのβ-アミリンの割合が減少し, 8日目の未熟期に85.0%あったものが, 35日目で26.0%になった。 一方, 種子の成熟に伴いシクロアルテノールおよび24-メチレンシクロアルタノールの割合は増加した。 大豆, 綿実種子もひまわり種子と同様に, 概して4, 4'-ジメチルステロール中でβ-のアミリンの占める割合は未熟期に多く, シクロアルテノールは成熟期に多い傾向にあった。