1) キシロース資化性の分離酵母 Trichosporon sp. X-19を酸性下で大量培養し, 菌体外に生産されたタンパク質 (ECP) について栄養評価を行ない以下の結果を得た。 2) アミノ酸組成から必須アミノ酸バターン (FAO/WHO, 1973年を基準とする) を算出すると, 第1制限アミノ酸は含硫アミノ酸で, アミノ酸価は45であった。 3) 人工消化試験から, カゼインとほぼ等しいすぐれた消化性を有することが示された。 4) 幼若ラットの飼育実験では, ECPのみをタンパク質源とするときには, PER, BVおよびNPUの諸点においてカゼインより著しく劣るが, 飼料の0.5%メチオニンを補足することによりカゼインの場合とほぼ同等となった。 5) 以上の結果, 本ECPは含硫アミノ酸を補足することにより飼料タンパク質として利用できることが明らかとなった。