1) 31種類の植物性食品材料中, 23種類に平衡透析法によりチアミン結合能が認められた。このうち, そばなど12種類の結合物質は熱に対して不安定であり, 大根など11種類の結合物質は安定であった。 2) 熱に不安定な結合物質はプロナーゼ処理で失活し, チアミン結合能はタンパク質濃度依存性を示したことより, チアミン結合タンパク質と推定した。 3) チアミン結合タンパク質とチアミンとの結合はチアミン誘導体により影響を受けないことから, 反応の特異性が高いことが推定された。 4) そば種子について発芽時におけるタンパク性チアミン結合能の変化を調べると, 発芽に伴って失活することがわかった。 5) 植物性食品中に含まれる熱に安定なチアミン結合物質はプロナーゼ処理による活性の変化が認められないことより, 非タソパク性の物質であると推定した。