DBP投与による薬物代謝系の誘導を確認するために, ペントバルビタール投与によるラットの睡眠時間をDBP投与群と非投与群間で比較した結果, 投与群が60.7±16.8分, 非投与群が101.0±11.6分であり, DBP投与によって有意に睡眠時間が短縮された。 Trp制限食 (Trpレベル, 0.085%) 飼育下で表われたDBPの影響が, Trp十分量 (Trpレベル, 0.17%) の飼料による飼育時でも表われるかを調べた結果, DBPを添加しても体重増には何ら寄与しなかった。しかし, Trp制限食飼育下と同様, 尿中N1MN, QA, NiAおよびアスコルビン酸は, DBP添加によって有意に増大した。したがって, DBP投与は, 飼料中のTrpレベルに関係なく, チトクロームP-450系の誘導を介して, Trp-NAD経路を活性化すると考えられた。