1) 新しく開発されたGCによるD2O分析法を用いて, 男女大学生の全体水分量およびその代謝速度について検討した。 2) D2Oを経口投与後, 2~3時間で体内のD2O濃度は平衡に達し, その後の減衰は指数曲線y=A0e-λtで表わされることを確認した。 全体水分量はt=0のときの濃度A0あるいは, 平衡に達した時点におけるD2O濃度から算出でき, また体水分の生物学的半減期はA0が1/2になる時間として算出できる。 3) D2O服用後90日めには, 体内に残存するD2Oは服用前と同じレベルに減少していた。 4) 女子運動選手14名, 女子一般学生8名, 男子運動選手12名について測定した体水分量の体重に対する割合は, それぞれ57.8±2.4%, 51.6±2.9%, 67.1±2.4%であった。 また体水分の生物学的半減期は, それぞれ6.1±0.9日, 10.5±1.7日, 6.6±2.1日であった。