高脂肪食による糖新生亢進時の代謝変動は高タンパク質のそれとは異なり, ひいては糖新生と尿素生成との関連にも違いをもたらすかどうかを検討した。 離乳直後の雄ラットを, 無糖質からなる高タンパク質食および高脂肪食 (corn oil と MCT) の3群の試験群と対照群 (高糖質食) に分け, 10日間飼育し次の結果を得た。 1) 摂食ラットでは, G6Pase活性はどの試験群でも増大した。 しかしGAT, PC, arginase活性は各群間一様ではなかった。 すなわち, (1) HP群では, GATとarginase活性が上昇したが, PC活性は増大しなかった。 (2) 高脂肪食群のcorn oil群では, pc活性が著しく増大したが, GATとarginase活性は増大しなかった。 MCT群ではPC活性は増大せず, むしろGAT活性が増大した。 2) 24時間絶食により, 3試験群のG6Pase活性は摂食ラットの約80%に低下し, 対照群とほぼ同し活性レべルとなった。 しかし各群間のGAT, PC活性の違いは, 摂食ラットの場合のそれと同じであった。 高脂肪食の2群とも絶食時のarginase活性は他群に比べ低値であった。 以上より, 高脂肪 (長鎖) 食による糖新生亢進過程の代謝変動は, 高タンパク質のそれとは異なり, 尿素生成系酵素活性の増加を伴っていないことがわかった。