1) 1% NaCl投与群における血圧上昇度は, SHR系のほうがWKy系のそれより大きかった。 2) SHR系はWKy系に比し, 食塩食欲がつよく, その結果による細胞外液量の増加が, 血圧上昇をおこす一つの原因と推定される。 3) 血圧上昇に伴って尿中カリクレイン排泄量が増加した。 4) SHR系はWKy系と比較して, 尿中カリクレイン排泄量が抑制されている傾向を示した。食塩負荷のない状態ではSHR系の尿中カリクレイン排泄量はWKy系のそれより少ない。 5) SHR系ではカリクレインの分泌抑制があり, カリクレインには水, NaCl排泄作用および降圧作用があるから, カリクレインの分泌抑制は高血圧の成因の一つである可能性がある。