ワックス・エステルのラット生育や各臓器に及ぼす影響を検討するために, ワックス・エステルを多量に含むEnglenaの給餌と, ワックス・エステルの強制経口投与を行なった。 給餌実験では, Eecglena食群はカゼ身ソ食群と同様の生育を示し, 両群で有意な差は認められなかった。また両群の相対臓器重量も, ほとんど変化がなかった。糞量は, Euglena食群で有意な増加が認められたが, これはEuglenara含まれる非消化性の貯臓多糖であるパラミロソ (β-1, 3-グルカン) によるものであった。Euglena食群の尿量は, カゼイン食群に比べて有意に滅少していた。糞中へのワックス・エステル排泄量は, 投与量のわずか1.5%であり, 各臓器・組織中にも著しい蓄積は認められなかった。
精製ワックス・エステルを強制的に経口投与しても, 生育と食餌摂取量は, 無投与群とまったく変わらなかった。また, 糞・尿排泄量や相対臓器重量にもまったく影響を及ぼさなかった。糞中のワックス・エステル量は, 投与量の2.8%にすぎず, 各臓器や血液にも, ほとんど検出されなかった。
以上より, 投与したEuglenaワックス・エステルは, ラット生育に影響を及ぼすことなく, 活発に代謝・吸収されていることがわかった。