四訂日本食品標準成分表作成に用いられた, 食品タンバク質利用エネルギーの算出法に疑問が生じたので, 改良方法を検討した。 「四訂法」の問題点は, 新しく「真の消化吸収率」が用いられたにもかかわらず, 尿中窒素量と吸収窒素量とが等しいと見なして尿中損失エネルギー量を求めている点, さらに, 内因性糞中損失エネルギー量を考慮していない点である。これらの点を改良してタンパク質利用エネルギーの「補正値」を求めた。 「補正値」と「四訂成分表」のタンパク質のエネルギー換算係数を比較した結果,「補正値」のほうがわずかに小さくなり, その差は平均1%であった。