1) 48名の健康な中高年主婦を対象として, 心拍数の24時間連続記録から推定したエネルギー消費量は, 1, 544±258kcal/dayであった。この値から算出した生活活動指数xの平均値は0.36±0.23であった。 2) 日記法による生活時間調査記録を利用して, 基礎代謝基準値および既存データから各活動ごとのエネルギー代謝率 (RMR) をあてはめて求めたエネルギー消費量と生活活動指数はそれぞれ, 1, 983±249kcal/dayと0.60±0.14であった。 3) 生活活動指数を0.35と固定して基礎代謝基準から, 個人のエネルギー所要量を算出した場合, 実際のエネルギー消費量に比較して20%以上の過大な見積りとなるのは全体の23%で, 逆に20%以上の過小見積りは6%であった。 4) 日記法による生活時間調査において生活活動強度が過大に評価される傾向が認められた。心拍数法で求めた睡眠時を除く生活時間のエネルギー消費量 (kcal/min) と, 平均RMRとの間に相関は認められない (r=0.173, p=0.24)。あてはめた個々のRMRが実際の活動強度を反映していないことがその理由であるが, 生活時間調査法から得たエネルギー消費量は系統的に高く推定されるのではなく, 個人ごとに誤差の程度が異なる。