1) 成人女子5名の被検者に, 安定同位体58Fe をトレーサーとして投与し, fecal monitoring methodにより, 鉄の吸収率を測定したところ, 個人差および食事内容による変動が大きかった。 2) 肉, 魚を含む日本人日常食における58Fe の吸収率は22~41%となり, 高繊維食ではその2分の1以下に吸収率の低下することが観察された。 3) 本研究の結果, 58Feを利用することにより, 人体を対象として鉄の吸収率を実測することは可能であると考えられる。今後さらに対象者, 実験条件等を検討して研究を進める必要があると思われる。