運動効果におよぼす摂取タンパク質の影響を調べる目的でカゼイン, グルテン, 分離大豆タンパク質をそれぞれ25%含有する飼料でラットを通常ケージと自由運動ケージで5週間飼育して, 体成分を分析し, 次のような結果を得た。1) 飼育5週間の体重増加は, 飼料タンパク質含量が25%であるため大きな差はなかったが, ソイプロ食, カゼイン食, グルテン食の順に大きかった。運動群は増加量が減少したが, グルテン食はカゼイン食, ソイプロにくらべ運動による減少量が少なかった。 2) 運動により腓腹筋の重量およびグリコーゲン量が増加するという現象は, カゼイン食で最も大きく認められた。 3) カゼイン食非運動群の血清総コレステロール・トリグリセライド値は, グルテン, ソイプ・食より有意に高い値となったが, 運動により著しく減少し, グルテン, ソイプロ食に近い値となった。 4) グルテン食は, 非運動群ではカゼイン, ソイプロ食よりやや高い体脂質量を示す程度であったが, 運動群ではカゼイン, ソイプロ食は大きく体脂質が減少したのに, グルテン食はわずかな減少となり, カゼイン, ソイプロ食にくらべ著しく高い体脂質量を示した。