日常食品中の成人病等に関係が深い栄養成分を明らかにするために, 118食品中のビタミンE, ステロール類を分析し, そのうちの78食品について脂肪酸を分析した。 1. ビタミンE α体はサフラワー油等植物油に多く含まれ, また果実, 野菜, 穀類, 魚介類に広く分布していた。β体はわずかな食品にしか検出されず, 含有量も低いものであった。γ体は大豆油等植物油に多く, 果実, 野菜では検出されてもわずかであった。δ体は植物油に多く, 大豆製品以外ではわずかな食品にのみ認められた。 ビタミンEの1日摂取推定量は, α体5.6mg, 生物活性合算値6.5mgとなり, またビタミンEとPUFAの比は0.46 (mg/g) であった。 2. ステロール類 コレステロールは, 鶏卵, 肉類, 魚介類に多く含まれ, 1日摂取量は300mgと推定された。 植物ステロールは植物性食品はもちろん, 貝類にも認められたが, 摂取量のほとんどは油脂に由来するものであった。β-シトステロール, スチグマステロールの1日摂取量はそれぞれ, 160~170mg, 6~7mgと推定された。 3. 脂肪酸 78食品について16種の脂肪酸を分析し, 飽和酸, モノエン酸, ポリエン酸の構成を明らかにした。 1日摂取量の推定を行ない, 脂肪酸の摂取量46.56g/日を得た。飽和酸, モノエン酸, ポリエン酸の摂取比は1.00: 1.45: 1.09となった。