おからおよびおからより抽出したNDF (nentral detergent fiber) を, 高コレステロール食に添加したときのラットの脂質代謝, コレステロール吸収におよぼす影響を検討した。 おからを10~30%の割合で高コレステロール食に添加すると, ラットの血漿中の総コレステロール量は対照群と比べて添加量に比例した有意な低下を示した。HDL-コレステロール値にはほとんど変化がなかったので, HDL-/総コレステロール比は添加群ですべて有意な上昇を示した。血漿中のトリグリセリド量およびリン脂質量も, おから添加により低下傾向を示した。肝臓トリグリセリド量は, おからの添加量に比例して増加した。肝臓コレステロール量は, おから添加で増加したが, 30%添加では対照群程度にまで低下した。コレステロールの排泄量におからの影響は認められなかった。 おから投与に相当する量のNDFを基本食に添加したとき, おから添加でみられた効果はほとんど観察されなかった。しかし, 糞中の中性ステロールの排泄は増加傾向にあった。 これらの結果から, おからの血漿コレステロール上昇抑制効果を認めた。その原因成分はNDFではないことが示された。おからの血漿コレステロール上昇抑制効果は主として大豆タンパク質によると思われるが, 脂質代謝に対する影響は分離大豆タンパク質とは若干異なり, 繊維質の関与も推測された。