先にわれわれは緑茶より抽出した茶葉粗カテキン (タンニン) は血中コレステロール濃度を低下させる作用を持つことを観察したも。 この事実をさらに調べるために, われわれは緑茶カテキンの主成分である (一) エピガロカテキンガレート (EGCg) を分離し, 15%ラードと1%コレステロール含有25%カゼイン食 (高脂コレステロール含有食) 投与ラットの脂質代謝に対する効果を調べた。EGCgは0.5%, 1.0%濃度で添加した。飼育期間は全実験で4週間とした。EGCgの添加は成長および飼料摂取に対して影響を与えなかった。高脂コレステロール含有食を与えたラットでは, 25%カゼイン食 (正常食) を与えたラットに比べて血漿および肝臓コレステロール濃度は増加した。EGCg投与で血漿総コレステロールとLDL-コレステロール濃度は減少し, HDL-コレステロール濃度は増加した。肝臓全脂質, 全コレステロールおよびトリグリセリド濃度は高脂コレステロール含有食投与ラットで増加したが, EGCg添加群ではこれらの濃度は減少した。さらに, EGCg投与は糞中への全脂質およびコレステロールの排泄量を増加させた。25%カゼイン食への1.0%EGCg添加では, 血漿および肝臓コレステロール濃度に影響を与えなかった。 これらの結果は, EGCgはコレステロール投与ラットの血漿コレステロール低下作用を持つことを示している。