小腸における栄養素の消化吸収に及ぼす食物繊維 (DF) の影響を回-直腸吻合手術を施したラットで研究した。手術後ラットを4群に分け, 1) 精製飼料 (FF飼料), 2) FF飼料+10%小麦ふすま, 3) FF飼料+10%ソルカフロック, 4) FF飼料+5%ペクチンを与え飼育した。その結果, 以下の知見を得た。 1) ペクチンを摂取したラットのみ有意な成長低下が認められた。 2) 糞排泄量および糞中への水分排泄量はDF摂取により有意に増加した。 3) タンパク質, 脂肪および灰分のみかけの消化吸収率はいずれもDF摂取により有意に低下した。 4) タンパク質の真の消化吸収率もDF摂取により有意に低下した。 5) Na, K, CaおよびFeのみかけの吸収率もDF摂取によって有意に低下した。 6) これらの栄養素の消化吸収率あるいは吸収率の低下の程度はDFの種類によって異なっていた。