オキアミの利用に関する栄養学的研究の一環として, とくに分離大豆タンパク質を組みあわせた食餌でラットを飼育し, その生育, 臓器重量, 肝および血清脂質におよぼす影響を検討し, 次のような結果をえた。 1) カゼイン群に比較して, SPI群の体重増加は有意に低かった。しかし, SPIにオキアミを組みあわせることにより回復した。 2) 血清脂質量はカゼイン群に比較してSPI群で有意に高かった。しかし, SPIにオキアミを組みあわせることにより, カゼイン群と同じ値になった。 3) 血清総コレステロール量はカゼイン群に比較し, SPI群, オキアミ群とも差がみられないが, SPIとオキアミを組みあわせると有意に低下した。しかし, これにさらにメチオニンを添加しても, それ以上の低下はみられなかった。 以上の成績はオキアミを食品として利用する場合, 植物タンパク質の一つであるSPIを組みあわせることが栄養学的にのぞましいことを示唆している。この研究を行うにあたり, ご助力をいただいた東北大農学部, 川村笑美子助手に感謝いたします。