日本各地から収集した77検体の茶葉およびその浸出液の亜鉛含量を原子吸光法により測定した。測定は二つの研究室で行い, 研究室間の測定値の変動についても評価した。 1) 同一の五つの煎茶葉についての二つの研究室での測定結果を比較すると二つの平均値は有意に異なっていたが, その差は平均値の5%程度であった。研究室Bにおいて測定のくり返しに由来する変動を求めたところ, 4%強であった。 2) 77検体についてえられた亜鉛含量の平均値±標準偏差は34.6±8.8μg/gであり, 文献値の大部分のものに匹敵する値であった。 3) 浸出割合は浸出時間が長くなると大きくなった。