DFの簡便な定量法として従来から用いられてきた中性デタージェント法 (ND法) と, 最近提案された酵素-重量法について, それぞれ数機関によるクロスチェックを行い, 問題点を明らかにし, その改良を試みた。 ND法は, 5種の同一試料 (穀類) を用いて6機関で, まずはじめにそれぞれの機関における方法で分析を行った。その結果にもとづいて酵素反応時間を短縮するためにターマミル60Lを用い, また濾過補助剤としてセライトを用いることによって濾過時間の短縮をはかり, 改めて2回目の分析を行ったところ, 変動係数に大きな改良がみられた。 酵素-重量法は, ProskyらおよびAOAC法を基本として, 試料の処理方法, セライトの洗浄, 酵素反応時間, 計算式などを改良した。この方法により, 穀類, 豆類および精製DFなど6種の同一試料を4機関で分析した。その結果, Proskyらの報告にくらべて変動係数の大幅な改善がみられたが, 精白米のようにDF含量が少なく, デンプンの多い食品では変動係数が大きくなることがわかった。 酵素-重量法とSouthgate法を5種の試料に適用したところ, 同一試料についての両者で求めた総DF量の値の差は比較的小さかった。しかし大麦については, ND法の値が酵素-重量法の値のほぼ2分の1であったので, 酵素-重量法とSouthgate法で分画を試みたところ, 水溶性ヘミセルロースが多いことがわかった。また, 大麦DF各画分の構成糖の分析も行った。