10種類のブドウを果皮と果肉に分け, 熱中性子放射化分析法を用いてNa, Mg, Cl, K, V, Mn, Fe, Zn, Rb, Seの10元素の分析を行い次のような結果を得た。 1) 分析した10元素のうち, Seは検出限界以下であった。しかし, そのほかの9元素は10-2μg/gから104μg/gの広い範囲に分布していた。 2) 元素含有量の分布は, 果肉と果皮のいずれでも, K>Mg>Cl>Na>Fe>Rb>Zn=Mn>Vの順序であった。 3) 試料間での各種元素含有量のばらつき (変動係数) は, 果肉では多量必須元素で大きく, また, 果皮はFeを除くすべての必須元素で大きな値がみられた。