Euglena gracilis zはビタミンB1およびB12を生育必須因子として細胞内に取り込み蓄積するが, それ以外の自家合成可能なビタミンをも細胞内に取り込み蓄積する能力が存在するかどうかを, 培地中に各水溶性ビタミン (チアミン塩酸塩, リボフラビン, ピリドキシン塩酸塩, シアノコパラミン, アスコルピン酸ビオチン, 葉酸, パントテン酸ニコチン酸, p -アミノ安息香酸) を大量添加し検討した。 E. gracilis zはチアミン, シアノコパラミン, およびニコチン酸は細胞内に取り込み蓄積したが, その他のビタミンは取り込まなかった。各ビタミンの最大含有量および蓄積量は, ビタミンB1が7.9±0.3 (mg%; 乾燥重量), ビタミンB2は3.5±0.2, ビタミンB6は7.5±0.6, ビタミンB12は1.4±0.1, ビタミンCは27.2±0.4, 葉酸は1.7±0.5, パントテン酸は12.9±0.1, ニコチン酸は41.0±0.2, ビオチンは4.6±0.3であった。これらの結果を酵母と比較すると Euglena は酵母よりも多様なビタミンを高濃度に合成および蓄積する能力があることが明らかとなった。