日・韓の食品成分表を用い, 摂食頻度が多く英文表記上同一のものと考えられる51品目を選んで, それぞれの水分含量から乾燥重量をもとめ, 各栄養素含量 (乾燥重量当たり) を比較した。また上述の51品目の中から13品目をとりあげ韓国で購入し, 日本でミネラルを分析し比較した。 1) 両国の食品成分表値中エネルギーと三栄養素 (タンパク質, 脂質, 糖質) については大きなくい違いはない。 2) 両国の食品成分表値中3種の無機質 (Ca, P, Fe) については上述の三栄養素に比べばらつきが大きいが, Feの場合もっとも大きなくい違いを示す。 3) Feの場合韓国の成分表値に比べ実測値が低いのが測定値13種中10種も認められた。 4) NaとKにおいては日本の成分表値との間に大きなくい違いはない。 以上の結果より, 今回の両国の食品成分表の値および実測値との比較でFeの値が大きな差を示し, その原因として, 1) 韓国の食品のFe含量が高い, 2) 分析上の問題で高く評価されているの二つのいずれもが関与している可能性があることが判明した。