トウモロコシデンプンの製造過程における副産物であるグルテンミールの有効利用の端緒としてグルテンミールからのツェインの抽出, 回収条件を検討した。またグルテンミールから抽出したツェインのSDSポリアクリルアミドゲル電気泳動ならびにSephacryl S-200カラムクロマトグラフィーを行い, 生トウモロコシから抽出したツェインと比較した。 グルテンミールからのツェインの抽出は3%塩化ナトリウムであらかじめ抽出した残渣を用いて10倍容の60%エタノールで60℃, 30分間, 2回抽出の条件で高抽出率が得られた。またツェインエタノール抽出液を1%以上の塩化ナトリウム溶液に滴下することにより簡単にツェインが回収され, 高い収率が得られた。さらにグルテンミールから抽出したツェインはαおよびβの主ポリペプチド鎖, α, β-ツェインから成る二量体重合体が確認され, 生トウモロコシから抽出したツェインと大きな差は認められなかった。以上の結果から, グルテンミールからのツェインの抽出, 回収は10倍容の60%エタノールで60℃, 30分間, 2回抽出し, 1%塩化ナトリウム溶液で回収するのが最適と判断される。