VE欠乏時におけるGSHの役割を明らかにする目的でラットをサフラワー油を含むVE欠乏飼料で飼育し, 同時にBSOを投与しGSH量を低下させ, GSH低下ならびに過酸化脂質生成阻止系酵素活性の変化と脂質過酸化との関連性について検討した。 1) VE欠乏飼料による6週間の飼育で臓器中の残存VE量は臓器間で差が認められた。 2) BSO投与による臓器中GSH量も臓器間で差異が観察された。 3) VE欠乏状態でのGSHの低下は肝臓, 心臓, 睾丸でTBA値のいっそうの上昇をひきおこした。また, 腎臓では逆にTBA値の低下が見られたが, 腎臓重量の増加および白い変色と合わせ詳細に検討する必要があると考えられた。 4) VE欠乏GSH低下により肝臓, 心臓, 腎臓でGSH-px活性の低下あるいは低下傾向が, また, GST活性の上昇が認められた。