30匹の4週齢Wistar系雄ラットを30%ショ糖投与群 (コントロール群), 30%パラチノース投与群および10, 20, 30%パラチノースの縮重合物 (PC) 投与群の5群 (各群6匹) に分け8週間飼育した。 飼育終了後, 麻酔下で腹部大動脈から採血し, 脳, 肺, 心臓, 肝臓, 腎臓, 副腎, 脾臓, 精巣, 大腿筋, 脛骨を採取した。血液は全血と血漿に分けた。各組織は硝酸により湿式灰化し, ICPプラズマ発光分析法により, Ca, Mg, Pを測定した。 各群のヘマトクリット値に有意差は認められず, 外見上の変化も認められなかった。また, 体重増加量は投与量に比して少なく, 30% PC投与群とコントロール群に有意差が認められた。臓器重量は心臓, 肝臓, 腎臓が投与群で有意に低値であったが, 体重当りの臓器重量には変化が認められなかった。一方, 20, 30% PC投与群で難消化性糖類摂取時に観察される盲腸の肥大が認められた。血漿中のP濃度については投与群で高くなり, 30% PC投与群ではコントロール群に比較して有意差 (p<04. 05) が認められた。しかし, 他の組織では著しい変化は認められなかった。本試験の結果は, パラチノースおよびPCは, ラットの生体内ミネラルバランスに著しい変化を引き起こさないことを示している。