免疫修飾活性のすぐれた選株の菌択を目的に, 食品微生物の菌体および脱脂乳培養上清を対象として, マイトジェン活性陽性株の出現率について比較検討した。 菌体については, 供試した170株のうち, Bifidobacterium属の1株 (B. longum SBT2928株) およびLactobacillus属の9株に明らかなマイトジェン活性が認められた。 乳酸菌等の脱脂乳培養上清については, 供試した83株のうち, L. helveticusの3株のみにマイトジェン活性が認められた。陽性株のタンパク分解活性は弱く, マイトジェン活性との関連性は認められなかった。 糸状菌の脱脂乳培養上清については, 供試した56株のうち, Aspergillus oryzae EF-08株の1株のみに明らかなマイトジェン活性が認められた。本菌株のタンパク分解率とマイトジェン活性は対応して増加し, マイトジェン活性が最大となる48時間において, タンパク分解率は75%であった。 以上の結果から, 食品微生物の菌体あるいは脱脂乳培養上清中にマイトジェン活性を示す菌株の出現率は低く, 菌株特異性の強いことが明らかになった。また, A. oryzae EF-08株およびL. helveticus 3株の脱脂乳培養上清中に認められた活性画分には, 新規な活性物質の存在が期待された。