in vitro リンパ球幼若化反応陽性株BL2928の全身性の投与経路による抗腫瘍活性を確認するとともに, 本菌株の経口投与における抗腫瘍活性について, 培養乳の経口投与ならびに乾燥死菌体の胃内投与によって検討し, 以下の成績を得た。 1) 腹腔内投与による腹水型腫瘍の増殖抑制試験において, BL2928は強い抗腫瘍活性を発現し, その作用の発現にはMΦが一部関与することが考えられた。 2) BL2928生菌体 (培養乳) の経口投与において, わずかながら, 同種腹水担がんマウスの生存期間の延長が認められた。 3) BL2928乾燥死菌体の胃内投与により, 同種固形腫瘍の増殖抑制が認められ, また, DTH反応はコントロール群に比して, 腫瘍進行の後期において高く推移した。 以上の成績より, マウスを用いた実験系において, BL2928は腹腔内投与において抗腫瘍活性を示し, また, 経口投与経路においても, 腹腔内投与に比してその作用は小さいものの, 統計的に有意な抗腫瘍活性を示した。また本作用は生菌および死菌いずれの形態でも発現することが明らかとなった。