SHR 24匹を高 (40%) 大豆タンパク食運動 (トレッドミル: 15m/分, 30分/日, 週3回) (40E) 群, 同非運動 (40NE) 群, 低 (10%) 大豆タンパク食運動 (10E) 群, 同非運動 (10NE) 群に分け, 生後8~16週齢まで飼育し, 毎週経時的に体重, 血圧, 尿成分を測定し, 16週齢時に採血して, 血液成分を測定した結果, 以下のような結果を得た。 1) 高タンパク食群と低タンパク食群の比較では高タンパク食群で成長がよく, 尿中カリクレイン, 総タンパク, アルブミンは高く, 血圧, 血漿アルドステロン, 総脂質, 総コレステロールは低値であった。生存率は高タンパク食群100%に対し, 低タンパク食群では運動群67%, 非運動群83%であった。 2) 高タンパク食運動群を同非運動群と比較すると, 体重, 血圧, 血中アルドステロン, 尿中カリクレインなど有意差が認められないものの12週齢までは成長がよく, また血圧は最終的には平均値で非運動群が低値になったが, 11週齢までは運動群のほうが低値であった。 3) 低タンパク食運動群と同非運動群の比較では, 運動群で体重が軽く, 昇圧因子の一つである血漿アルドステロン濃度が上昇し, 降圧因子の一つである尿中カリクレインの排泄が低下し, 血漿カリウム濃度も低下し, その結果として血圧上昇を招来したものと思われる。4) 低タンパク食運動群は他の3群に比し, 成長の抑制, 血圧の上昇をきたした。 高タンパク食で強制運動であってもむしろ好結果をもたらしたのに対し, 低タンパク食運動群では生体に必ずしもよい結果をもたらさなかった。