酸およびエタノールに耐性のあるエタノール資化性酵母 Candida solicola WY-1がアルコールを投与されたラットの血中アルコールおよびアセトアルデヒド濃度に及ぼす影響について検討した。 1) C. solicola 菌体 (3g/kg体重) はアルコール投与5分前に投与したとき, コントロール群に比べてアルコールおよびアセトアルデヒドの最高血中濃度を最も有意に低下させた。 2) C. solicola 菌体は加熱処理されることによって, その低下効果を示さなくなった。 3) 飼料 (3g/kg体重) の投与においても, 血中アルコールとアセトアルデヒド濃度は低下する傾向を示した。 4) 発酵工業関連酵母と比較して, エタノールを含有する培地で培養された C. salicola 菌体は両物質の血中濃度を最も低下させた。 以上の結果より, エタノールを含有する培地で培養され, 加熱処理を受けていない C. salicala 菌体は血中アルコールおよびアセトアルデヒド濃度を低下させることが明らかとなった。また, 加熱処理を受けた本菌体を投与すると, 両物質の血中濃度が低下しなくなることから, 本酵母のエタノール資化性すなわちエタノール代謝関連酵素の作用がアルコールとアセトアルデヒドの血中濃度の低下に寄与していることが示唆された。