ラット小腸粘膜から微絨毛膜ならびにスクラーゼ・イソマルターゼ複合体とグルロアミラーゼを精製して, パラチノース縮合物 (二量体, 三量体, 四量体) の水解速度を検討した。 1) パラチノース縮合物は, 縮合度に大きく影響されずに, いずれもパラチノースと同程度の速度で, 微絨毛膜のおもにスクラーゼ・イソマルターゼ複合体によって加水分解を受け, グルコースを遊離した。 2) パラチノース二量体, 三量体, 四量体に対するスクラーゼ・イソマルターゼ複合体の酵素反応速度定数 (Km, Vmax) はいずれの場合もパラチノースと同様であった。 3) パラチノース縮合物は, グルコアミラーゼによっても一部水解を受けたが, Km値はスクラーゼ・イソマルターゼ複合体に比べて10倍以上も高く, 高い基質濃度になってはじめてグルコアミラーゼの寄与が大きくなると推察された。