幼児のカルシウム, リン, マグネシウム摂取の実態を把握することを目的に, 対象児 (3歳児の男女児各2人ずつ) が喫食した飲食物中のカルシウム, リン, マグネシウム量を実測した。試料は2, 4, 6月の各月末の連続した2日間, 延べ6日間に喫食された全飲食物を買い上げ, 発光分光分析法 (ICPS) により各無機元素を分析した。結果は以下のようである。 1) 1人1日平均カルシウム摂取量は505 (244) mgであり所要量を上回っていた。P/Ca比も1~2の範囲内にあり, 好ましい状態であった。 2) カルシウム摂取量は, 間食で1日の約50%を摂取しており, その主な供給源は乳・乳製品であった。 3) マグネシウム摂取量は1人1日平均170 (73) mgであったが, Ca/Mg比は1日平均3.0 (1.1) と高値を示した。 4) 間食におけるCa/Mg比は, 1日平均5.0 (3.0) と高く, これは乳・乳製品に由来するところが大きい。