パラチノースとパラチノース縮重合物 (PC) 摂取によるラットの組織中ミネラル (Ca, Mg, P, Fe, Zn, Cu, Mn) 含量に与える影響を検討した。 1週間予備飼育した4週齢Wistarラット36匹を6匹ずつ, コントロール (30%ショ糖), 7.5%, 15%パラチノース, 7.5%, 15% PCの5群分け, 13週間飼育した。飼育終了後, 麻酔下で腹部大動脈から採血し, 脳, 心臓, 肝臓, 腎臓, 副腎, 脾臓, 精巣, 大腿筋, 脛骨を採取した。血液は全血と血漿に分けた。各組織は硝酸により湿式灰化し, ICPプラズマ発光分析法により, Ca, Mg, P, Fe, Zn, Cu, Mn含量を測定した。 コントロール群と投与群の間に外見上の変化は認められず, また体重増加量, 各臓器重量, ヘマトクリット値にも変化は認められなかった。ミネラルについてはCa, Mg, P, Feについては血漿中のP含量が投与群で高く, 7.5% PC投与群とコントロール群との間に有意差が認められた以外は, 測定したすべての臓器で著しい変化は認められなかった。一方, Zn, Cu, Mnについてはコントロール群と投与群, とくにPC投与群に有意な変化が認められた。すなわち脳中Zn, Mn含量の上昇, 腎臓中Cu含量の上昇, 肝臓中Cu含量の上昇およびMn含量の低下, 脛骨中含量のMn上昇が認められた。